庭の花々も咲き乱れ、春らしい陽気を感じるようになりました。

気持ちのよい季節ですが、この時期は入学や入社、人事異動など生活の変化も多く、情緒が不安定になりがちです。

今回は、最近とても多いご相談の1つ心のトラブル「うつ病」について中医学的観点からご紹介します。




●中医学から見る『鬱症』

中医学の「鬱証」は範囲が広く、自律神経失調症、神経症、不安症、更年期障害など多くの疾患が含まれます。

鬱は体内で何かが「鬱結」した状態と中医学では考えます。

気、血、痰、湿、熱、食の鬱結が鬱の原因となりますが、中でも「気」と「血」がポイントです!

健康を保つためには、生命のエネルギーとなる「気」と、心身に栄養を与える「血」が必要不可欠です

この気・血の流れが滞ったり、不足したりすると心のトラブルが起こりやすくなります。 ストレスが鬱の原因となるのは、気・血を全身にめぐらせる「肝」の機能がストレスの影響で低下し、流れが滞ってしまうからです。このような状態が長引くと、体内の気・血の不足にもつながり、さらにストレスへの対応力が弱くなってしまいます。
「心と身体は全体で一つ」と考える中医学では、このように鬱の原因は心だけでなく、身体の中にもあると考えます。

不規則な生活や偏った食事なども気・血不足の原因となるので、まずは規則正しい生活を心がけ、身体全体のバランスを整えていきましょう!






初期に最も多い『肝気鬱結』タイプ

主な症状:憂鬱、情緒不安定 、胸部・腹部の張り、 痛み 、食欲不振、口の渇き 、頭痛、月経不順

改善策:「肝」はストレスを発散させ、精神や感情をコントロールする役割を担っています。しかし、憂鬱や怒りといった精神的なストレスを強く受けると、この機能が低下し、気の流れが滞ってしまうのです。これを「気鬱」と呼び、初期の鬱症状の原因になる事も多いです。
気鬱の状態が長引けば、熱っぽい症状が現れる「熱鬱」、血の流れが滞る「血鬱」、脾胃の消化機能を低下させ、食・痰・湿の停滞が起きる「食鬱」「痰鬱」「湿鬱」といったさまざまな症状につながります。
また、五行学説では肝は春にあたります。樹木のようにのびのびとし、発散することを好む臓腑。ストレスを発散し、停滞した気の流れをスムーズにすることを心がけてください

森林中の散歩や半身浴などリラックスするように心がけましょう♪

食養生:香りのよいものでストレス、気の停滞を発散させましょう!また、苦味のある食材は怒りや興奮などを鎮めてくれます。

牡蠣、あわび、ふきのとう、ふき、筍、ジャスミン、ミント、ハーブティー、緑茶

オススメの漢方薬:四逆散、(加味)逍遥散、柴胡疏肝散など





余分な水分や汚れが溜まる『痰湿停滞』タイプ

主な症状:胸のモヤモヤ 、痰が多い、のどの閉塞感、悪心、げっぷ、食欲不振
改善策:気の流れの停滞は脾胃にも影響し、消化機能の低下につながります。

その結果、常に体内に痰湿(余分な水分や汚れ)が溜まるようになり、精神的な症状に加えて、胸がモヤモヤする、痰が多い、のどの閉塞感、悪心、食欲不振といった症状が現れます。

また、ストレスからくる暴飲暴食、油っぽい物の過食などが痰湿の原因となることもあるので注意しましょう!
このような症状が気になる方は胃腸の機能を改善しながら、尿と便の排泄を良くして体の汚れを取り除く事が大切です。痰湿を取り除くことでさまざまな身体の症状も回復しやすくなり、健康な体を作る事にもつながります。

気の流れをスムーズにするとともに、余分な痰湿をすっきり取り除くようにしてください。

食養生:胃腸機能を整える淡味のもの、利水効果のあるもの、溜まった脂肪を取り除くものなどを選びましょう。

シソ、ハトムギ、もやし、冬瓜、きゅうり、バナナ、キウイフルーツ、ウーロン茶

オススメの漢方薬:勝湿顆粒、星火温胆湯、五苓散など





心と身体の元気が足りない『気血不足』タイプ

主な症状:動悸、不眠、不安、夢が多い、健忘、めまい、脱毛、疲労、食欲不振

改善策:同じようなストレスを受けても、すぐに解消できる時もあれば、落ち込みやすいときもあります。

これには、気・血の状態が大きく関わっています。
「気」は生命のエネルギーであり、「血」は「心」の栄養。

心身ともに健康で気・血が十分にあれば、ストレスに負けることはありません。反対に上記の「肝気鬱結」状態が長く続き、気・血をつくる「脾(消化器)」の機能低下、「肝」が蓄える血の消耗、精神活動の中枢「心」の血不足を招くと、身体全体の気・血が不足してきます。

その結果、精神が不安定になり、ストレスの影響を受けやすくなってしまいます。
憂鬱や情緒の不安定などの症状に加え、動悸や不眠、不安、健忘、めまい、疲労などを感じる人は、気の滞りを解消しながら、足りない気・血を補うようにしましょう!
また病後や産後、更年期など、体力を消耗しているときにも気・血が不足しがちなので注意しましょう。

食養生:甘みのある食材で、体内の気と血を補いましょう。

黒ゴマ、松の実、百合根、ナツメ、ぶどう、クコの実、大豆、ほうれん草、人参

オススメの漢方薬:婦宝当帰膠、心脾顆粒、十全大補湯など






「うつ」というと重く受け止めがちな症状ですが、鬱証についてまとめた古典の医学書があるほど昔から一般的な症状で、二千年もの昔から専門処方が数多くありました。

食養生や中成薬で身体を整えていくことはもちろん、日常生活の中でストレスや疲れを溜めない工夫をすることもとても大切です。
日常からできる養生としては、まず生活リズムを守ることが大切です。深夜までテレビを見たり、間食することは避け、規則正しい生活・食事を心がけましょう!

家に閉じこもらず、なるべくに出て身体を動かすようにしたり、お風呂でリラックスしたり、カラオケや買い物など趣味を見つけて楽しんだりと、そんなちょっとした習慣も、ストレス発散につながります。

特に暖かい春の朝は散歩にもぴったりです!新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込んで、心も身体もリフレッシュしてください(^-^)
中医学では「およそ病は、鬱にて起こること多し」といわれ、鬱は多くの病気の始まりと考えられています。心の元気は、身体の元気の源、ということですね。元気が出ない、気分が沈みがち、何か変だな、と感じたら「鬱」かもしれません。“心身の健康を見直して改善する機会“と考え、早めに対応していきましょう♪






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